ヘアスプレー
最近、ようやく2007年版「ヘアスプレー」を観ました。
これだけを観れば、わりとよくできたミュージカル映画かもしれませんが、オリジナル版がとてもとて〜も好きだったので、予想以上に2007年版のクリーンぶりに拍子抜けしてしまいました。
これはジョン・ウォーターズの「ヘアスプレー」のリメイクというより、ブロードウェイ化された舞台版「ヘアスプレー」の映画版(ややこしい)ということなんでしょうね。 おそらく舞台化の時点で新しい脚本家による大規模な毒抜きがあったのでは。オリジナルより「RENT」を観ている気分の方が近い。まあ、「RENT」嫌いじゃないデスが…
そうはいっても、わたしとて悪趣味映画界のドン的なジョン・ウォーターズ監督がドンピシャな訳ではなく、特に好きなのは、そんな彼が大衆向けぎりぎりをめがけて作った作品たち。
彼が作品の中でたびたび表現している極端なまでの地元愛(ボルチモア)や差別されがちな人(ゲイ、有色人種、変わり者)へのシンパシーやらは、啓蒙姿勢で主張されるよりも、毒っけ(自虐とか)をもって語られた方がよりぐっとくるわけで。北風と太陽じゃないけど…つまり「毒」といっても誰かを傷つけるためのものじゃなくて、いろいろひっくりかえすためのユーモアなんじゃないの〜と思うわけです。 そこにリアリティを感じたり、心憎いゾ!てな具合にひかれるのです。この作品にもそのことはあてはまるわけで、だからこそその'屈折した愛'ともいえる毒の部分を抜き去ることはこれつまり作品の骨を抜くごとき行為では…と。
ついでにいうと、人種差別撤廃を訴える映画は多々あっても、オリジナル「ヘアスプレー」のようなアメリカの善良なる市民=保守的マジョリティへの''笑える揶揄''というのはなかなかに稀有ーーそこも2007年版では丁寧に舗装されて、差別撤廃オチだったところはやっぱり残念。
総じて、同姓同名の他人といってもよいくらいの違いなのでした。いや、実際の景色と書き割りくらいの違いだな。(しつこい)
でも2007年版の興行成績はオリジナルとは桁違いの大成功。それじゃあ、こちらのファンのひとがもし後からオリジナル版をみたらどんな風に感じるのかな。逆にがっかりしたりして?
ま、ま、どちらも観ていない人には断然俄然オリジナル版をお薦めします!

ああ、大好きな映画なのでついつい熱くなってしまいました。もしもお気に召したら「シリアル・ママ」「i Loveペッカー」もぜひ。。
余談ですが
ディヴァイン→ジョン・トラボルタの同役のインパクトよりも、前々から似ていると思っていたデボラ・ハリーとミシェル・ファイファーが同じ役を演じていた点には、妙にうれしくなりました。




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